COLUMN

医院経営にまつわるコラムを定期的に配信しています。

法定監査業務

医療機関に過料が処せられるケース

医療機関に過料が課せられるケース解説

I. はじめに

医療機関において、医療法上いくつか過料が処せられるケースがございますが、顧問引継ぎの際や事業承継時に行うデューデリジェンスの際に、遵守されていないケースをよく見かけます。

本コラムでは、医療法上の過料が課せられるケースや、その他管理運営上参考となる厚生労働省から開示されている資料をご紹介いたします。

 

 

II. 医療機関に過料が課せられるケース

医療機関において、以下のケースなどにおいて20万円以下の過料に処せられることとされています。

 

1. 登記しなければならない事項について登記を怠った場合又は不実の登記をした場合(医療法第43条、第93条第1号)

2. 財産目録の備付けを怠り、又はこれに記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をした場合(医療法第46条、第93条第2号)

3. 事業報告書等(貸借対照表及び損益計算書に限る。)の公告を怠り、又は虚偽の公告をした場合(医療法第51条の3、第93条5号)

4. 決算の都道府県知事への届出毎会計年度終了後3月以内にしない場合又は虚偽の届出をした場合(医療法第52条、第93条第7号)

5. 定款又は寄附行為の変更に関し、届出で良いとされる事項について、届出をしない場合又は虚偽の届出をした場合(医療法第54条の9、第93条第7号)

6. 剰余金の配当をした場合(医療法第54条、第93条第8号)

 

1 登記について

医療法人においては、登記事項として以下が必要とされています(組合等登記令)。

・目的及び業務

・名称

・事務所

・代表権を有する者の氏名、住所及び資格

・存立時期又は解散の事由を定めたときは、その時期又は事由

・資産の総額

これらの登記が適切に行われていない場合は、過料に処せられることとなります。

 

2・3・4 事業報告書・財産目録について

医療法人は、成立の時に財産目録を作成し、常にこれをその主たる事務所に備え置かなければならず、また毎会計年度終了後2月以内に、事業報告書や財産目録等を作成しなければならないとされています。さらに事業報告書の届出を毎会計年度終了後3月以内する行う必要があります。これらを怠った等の場合、過料に処せられることとなります。

 

5 定款又は寄付行為の変更について

定款又は寄付行為の変更に関し、各都道府県から必要な書類などの情報が出ていますが、これらの届出をしていない場合、過料に処せられることとなります。

 

6 剰余金の配当について

剰余金の配当とは、損益計算上の利益金を社員に対して分配することです。収益を生じた場合には、施設の整備・改善、法人の職員に対する給与の改善等に充てるほか、全て積立金として留保すべきこととなるため、配当ではないが、事実上利益の分配とみなされる行為も禁止されています。

 

 

過料が処せられて困っている図

 

III. その他運営上の留意点

医療法人を運営する上でその他留意すべき事項として、厚生労働省から開示されている「医療法人運営管理指導要綱」や「医療法人の業務範囲」が参考となります。

例えば、役職員への金銭等の貸付について、付帯業務ではなく福利厚生として行うこととされており、この場合全役職員を対象とした貸付に関する内部規定を設けることとされています。そのほかにも、医療事業の経営上必要な現金は、銀行、信託会社に預け入れ若しくは信託し、又は国公債若しくは確実な有価証券に換え保管必要があるとされており、売買利益の獲得を目的とした株式保有は適当でないとされています。

 

 

IV. おわりに

医療機関では行政上必要とされている手続きや運営管理上必要とされていることが、多岐にわたります。G.CFACTORYネットワークの公認会計事務所による監査では、ネットワーク関係にある医療コンサルティング会社と連携して、発見した改善事項があれば適時対応が可能です。医療特化で監査を行っている公認会計士はあまり多くなく、公認会計士監査を通じて医療法まわりの改善事項を発見することができることは当グループの強みです。公認会計士監査を受ける中で行政書類に不備がないかを確認してほしい等あれば、まずはお気軽にご相談ください。

 

※本コラムは、2023年10月29日現在の法令・通達等を前提に記載しております。

 

ご相談はこちらから

 

会計顧問のサービス案内はこちら➩https://tax.gcf.co.jp/service/accounting-tax-advisor/

法定監査のサービス案内はこちら➩https://tax.gcf.co.jp/service/statutory-audit/

 

横田 圭吾 G.C FACTORY 会計士 準会員

筆者:横田 圭吾(よこた けいご)

税理士法人G.C FACTORY

コンサルティング事業部 主任

経歴:

公認会計士試験合格後、世界Big4のEYメンバーファームであるEY新日本監査法人にて、医療機関、上場企業、金融機関、IPOなどの幅広い会計監査業務や内部統制監査を担当。独立行政法人、医療法人、社会福祉法人、公益法人など様々な設立主体の医療機関の会計監査を経験。2022年8月にG.C FACTORYへ入社後現在に至る。

実績・経験:

・医療機関の財務デューデリジェンス業務を責任者として年間約30件担当(病院約10件、診療所約20件、その他医療関係事業会社等)

・医療機関承継において必要となる、事業計画作成、融資支援、クラウド会計導入支援等、複数の支援を担当。

・医療機関への公認会計士・監査法人監査の対応コンサルや内部統制コンサル等の支援を担当。

同じカテゴリーの記事

会計監査 公認会計士監査 内部統制 売上プロセス 債権管理 資金管理 医業収益

法定監査業務

医療機関の内部統制のポイント(売上編)

会計監査 公認会計士監査 内部統制 購買プロセス 在庫管理 購買管理 SPD

法定監査業務

医療機関の内部統制のポイント(購買編)

会計監査 監事監査 公認会計士監査 行政監査 指導監査 社会福祉法人 メリット

法定監査業務

社会福祉法人の会計監査を導入するメリットと概要

お問い合わせ

医院経営にまつわるお困りごとは
税理士法人G.C FACTORYへ。
まずはお気軽にお問い合わせください。

お電話をいただいた場合は、担当部署を確認し、後ほど折り返しいたします。